Friction River Software - CakePHP5入門【補足④】WebSocketサーバの自動起動

Ａ子

ねぇ、このシステムの中核である「WebSocketサーバ」だけどさー

Linuxサーバ自体を再起動させたときって、わざわざ手動で起動しなきゃいけないのよね？

Ｂ美

そうね

Ａ子

でもWebサーバ（Apache2）やメールサーバ（exim4）って、自動的に起動してるじゃん？

WebSocketサーバについても、自動起動するようにできないの？
（いちいち「MATE端末」を開いて、起動コマンドを打ち込むのが面倒くさくって…）

Ｂ美

うーん、できるっちゃできるけど…

まぁ、やってみましょうか

Ｃ菜

まずは「MATE端末」を開いて、suでrootになるんですよね～？
（だってシステムの根幹部分の変更ですから～）

Ｂ美

その通り

su -[Enter]
cd /etc/systemd/system[Enter]
nano websocket-server.service[Enter]

作成するファイル（websocket-server.service）の内容は以下の通りよ
（ファイル名については何でも構わないけど、末尾には必ず「.service」を付けてね）

[Unit]
Description=WebSocket Server（説明文）
After=network.target（起動順…networkのあと）

[Service]
Type=simple（基本的にはこれでOK）
ExecStart=/home/bimi/html/authapp/bin/cake web_socket_server（起動コマンド）
Restart=always（プロセス終了時に常に再起動を試みる　←　明示的に「stop」した場合を除く）

[Install]
WantedBy=multi-user.target（ランレベル3）

※赤字の箇所はコメントなので打ち込まないように！

[Ctrl]+[o]→[Enter]→[Ctrl]+[x]で、上書き保存してから終了してね

Ａ子

ふむ、なるほど
「bin/cake」コマンドをフルパスで記述しないといけないわけか…

んで、これで終わり？

Ｂ美

いいえ、まだよ
とりあえずは、うまく動くかどうかを検証しましょう

systemctl daemon-reload[Enter]
systemctl start websocket-server.service[Enter]
systemctl is-active websocket-server.service[Enter]

これで「active」って表示されればOKよ

ちなみに、「daemon-reloadデーモンリロード」することで、作成したユニットファイル（websocket-server.service）が有効になるからね
（言い換えれば、このコマンドは必須ってこと）

Ｃ菜

これは問題なく動いているということでしょうか～？

Ｂ美

そういうこと
もしも心配だったら、50080番ポートを使用しているプロセスが動いているか、コマンドを叩いて検証すれば一目瞭然よ

lsof -i :50080[Enter]

Ａ子

このサービスを停止させたい場合、前に作った「websocket_close.sh」というシェルスクリプトを使うの？
（【CakePHP5実用編⑤】を参照）

Ｂ美

ううん、違うわ

systemctl stop websocket-server.service[Enter]

…って打ち込むだけ
（このサービスって、現在systemdの管理下なので「systemctl」コマンドで制御するの）

Ｃ菜

あ～
50080番ポートを使用するプロセスが消えたということは、WebSocketサーバが停止したということですね～

これで設定作業は完了ですか～？

Ｂ美

まだ肝心の「自動起動」を設定していないわ

systemctl enable websocket-server.service[Enter]

上記のコマンドを実行すれば完了よ

あ、もしも「自動起動」を無効にしたければ以下のコマンドを打ち込んでね

systemctl disable websocket-server.service[Enter]

Ａ子

「WebSocketサーバ」が自動起動するかどうか、サーバ（開発環境のPC）を再起動して検証してみよう

・・・

おっ、チャットサービスがちゃんと動いてる！
…ってことは、WebSocketサーバが起動してるってことだね
（完璧じゃん）

Ｂ美

一応「systemctl」コマンドでもサービスの起動状態を確認できるわよ

systemctl status websocket-server.service[Enter]

この場合、プロンプト状態に復帰するには、キーボードの「qキュー」キーを押してね

もしくは

systemctl status websocket-server.service --no-pager[Enter]

でも良いけど…
（こっちは勝手に復帰するわ）

Ａ子

なんで「qキュー」なのよ？

Ｂ美

知らんがな（苦笑）

多分「quitクイット」の頭文字だと思うけどね

Ｃ菜

「--no-pagerノーページャー」オプションを付けない場合、日本語メッセージが文字化けしますね～

別に問題ないですけど～

Ａ子

あ、そう言えば…

キーボードの上矢印（↑）キーを使えば、過去の入力履歴が出るけどさぁ
最初の一回だけはコマンド入力が大変だよ（長くって…）

Ｂ美

あ、これは（Apache2など）他のサービスでも同じなんだけど…

「startスタート」「stopストップ」「statusステータス」なんかを「systemctlシステムコントロール」コマンドで実行する場合、末尾の「.serviceドットサービス」は省略できるからね
（というか、普通は省略する…面倒くさいから（笑））

systemctl start websocket-server[Enter]
systemctl stop websocket-server[Enter]
systemctl status websocket-server --no-pager[Enter]

…って感じね

Ａ子

それを早く言えや（怒）