Friction River Software - CakePHP5入門【CakePHP5基礎編①】プロジェクト作成

Ｂ美

さて、今回からWebフレームワークの話をしていくよー

Ａ子

Webは分かるけど、フレームワークって何なのよ

Ｃ菜

「枠組み」とか「骨組み」って意味だと思うです～

Ｂ美

Ｃ菜正解！

「家を建てるためのある程度の骨組み（フレームワーク）を用意するから、細かいところはそれぞれ自分で決めてね」
…ってイメージかな？

Ａ子

Webアプリケーションを簡単に作れる…ってこと？

Ｂ美

その考え方で間違いないわ

何もないところに自分で一から作り上げていっても良いんだけど（いわゆる「フルスクラッチ」）、そんな労力をかけたとしても出来上がりはフレームワークを使ったもののほうが優れてたりするのよ

だったら、最初から素直にWebフレームワークを利用すべきよね？

Ｃ菜

簡単に作れるなら大歓迎です～

で、どういうものがあるんですか～？

Ｂ美

プログラム言語ごとに存在するんだけど、有名どころとしてはこんな感じかな

プログラム言語	フレームワーク名
PHPピーエイチピー	Laravelララベル
	CakePHPケイクピーエイチピー
	Symfonyシンフォニー
	FuelPHPフューエルピーエイチピー
Pythonパイソン	Djangoジャンゴ
Pythonパイソン	Flaskフラスク
Rubyルビー	Ruby on Railsレイルズ
Rubyルビー	Sinatraシナトラ
Javaジャバ	Springスプリング Framework
	Playプレイ Framework
	JSFジェイエスエフ
	Strutsストラッツ

あ、これで全てじゃないわよ（ほかにもたくさん有ります）

Ａ子

多すぎて選べないよ（苦笑）

Ｂ美

それぞれに特徴があるんだけど、人気なのは「Laravelララベル」「Djangoジャンゴ」「Railsレイルズ」「Springスプリング」かな

んで、今までPHP言語を学んできたわけだから、当然PHPのフレームワークを使います

Ｃ菜

ということは「Laravelララベル」でしょうか～？

Ｂ美

いいえ
私の個人的な好き嫌いを言わせてもらえば、「Laravelララベル」って嫌いなのよ

なので「CakePHPケイクピーエイチピー」をやります！

Ａ子

好き嫌いかよ（苦笑）

Ｂ美

多分だけど、Cakeケイクが一番修得しやすいと思うわよ
（人によって異論もあるかもしれないけど…）

それじゃ、「MATE端末」を開いて、こう入力してね

cd html[Enter]
composer create-project --prefer-dist cakephp/app testapp[Enter]

「testapp」の部分がプロジェクト名になってて、この名前を使ってブラウザからアクセスすることになるの
（ここではサンプルということで、適当な名前にしています）

Ａ子

結構時間がかかってるね…

あ、止まったよ

Ｂ美

ここでは半角大文字の「Y」を入力してから、[Enter]キーを押してね
（単に[Enter]キーだけでも良いけど…）

Ｂ美

これでインストールが完了したわ

さて、それじゃブラウザで確認してみましょうか
URLには「localhost/testapp」と打ち込んでね

Ａ子

あれ？左端が赤いところがあるけど、これってエラー？

Ｂ美

エラーってわけじゃなくて、単なる警告かな

最初のは、「php.ini」の中の「zend.assertions」を「1」に変えてね…ってことだし
その下はデータベースの設定が間違ってる…って意味ね
（そもそもまだ設定していないんだけど…）

Ｃ菜

「php.ini」って、開発環境設定編のときに「PHPの設定は省略」…って言ってたやつですね～？

Ｂ美

そう、それよ
まずは「MATE端末」を開いてからrootになってね

su -[Enter]
nano /etc/php/8.2/apache2/php.ini[Enter]

で、「php.ini」を編集しましょう

[Ctrl]+[w]のあとに「assertions」と入力して[Enter]キーを押してね
（目で探すのは大変なので、キーワードで検索するってこと）

Ｂ美

デフォルト値が「-1」になってるから、それを「1」に変更してね

あと、ついでだから「memory_limit」と「post_max_size」と「upload_max_filesize」についても変更しておきましょう
さっきと同じく[Ctrl]+[w]で検索するか、スクロールして自力で見つけ出してね

Ａ子

それぞれの名称から何となくは分かるんだけど…

「upload_max_filesize」はアップロードできるファイルの最大サイズってことだよね？

Ｃ菜

「post_max_size」との違いが分からないです～

Ｂ美

Ａ子は正解

正確には、ファイル一つの最大サイズね

Ｃ菜

あ、分かりました～

「post_max_size」はPOST送信できる最大サイズなので、複数のファイルやその他のPOSTパラメータの合計ってことですね～？

Ｂ美

大正解！
つまり、現状では一つ2MBまでのファイルを一度に8MBを上限としてアップできるってわけ

あと、それを処理するメモリの最大値は、128MBですよ…ってのが「memory_limit」の設定ね

Ａ子

ということは…

「upload_max_filesize」よりも「post_max_size」を大きくして、さらにそれよりも「memory_limit」を大きくすれば良いんだ

Ｂ美

その通り

そうねぇ
「upload_max_filesize」を10MB、「post_max_size」を128MB、「memory_limit」は512MBにしましょう
（あ、設定値としては「B」の記述は不要だからね）

[Ctrl]+[o]　→　[Enter]　→　[Ctrl]+[x]
で、上書き保存してから終了よ

最後に、設定変更を反映させます

systemctl restart apache2[Enter]

Ａ子

ブラウザを起動して「localhost/info.php」を見てみたよ

きちんと設定した値になってるね

Ｃ菜

ついでに、さっきの「localhost/testapp」も見てみるです～

Ａ子

お、赤いのが一つ消えたね

あとはデータベース設定か…

Ｂ美

そうねぇ、先にそれをやっちゃいましょうか

ホームディレクトリの中の「html」から「testapp」→「config」とたどってね

Ｂ美

そうしたら「app_local.php」というファイルの上で右クリックして、「Plumaで開く」を選んでね
（いつもの「L3afpadリーフパッド」じゃない理由は、行番号表示が欲しいから）

Ｂ美

このファイルの47行目、48行目、50行目を修正してね
（ただし、CakePHPのバージョンが変わると、行番号も変わるかもしれません…あくまでも目安です）

開発環境構築編の４回目でデータベース設定をしたよね？
あれを入力しましょう

Ｂ美

保存したら、もう一度ブラウザで「localhost/testapp」を見てみてね
（ちなみに、パスワードは黒で塗りつぶして隠してます）

Ｃ菜

赤いのが全部消えました～

Ａ子

おぉ、これで完成？

Ｂ美

いいえ、まだよ（苦笑）
あ、でも面倒くさいのは最初だけだから…

んじゃ、次は「app.php」というファイルを開いてね

52行目の「en_US」を「ja_JP」に変更して、53行目の「UTC」を「Asia/Tokyo」に変更するの
さらに285行目の「UTC」も同様に「Asia/Tokyo」に変更してね

Ｂ美

これでシステムの標準言語が日本語になって、時計も日本（東京）に設定されたってわけ

あとは「bootstrap.php」も変更したいところだけど、それはおいおい…

Ａ子

今度こそ完成？

Ｂ美

完成も何も、やっとスタートラインに立ったってだけよ（苦笑）

長くなっちゃったから今回はここまでね
次回は「オブジェクト指向」について説明していきます